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ぜんぶ二人ではじめて

第12章 特別扱い

「じぃちゃん、ほら、市川さんだよ。会いたいって言ってたろ?」

ヤスくんが紹介してくれた。

「こんにちは。お久しぶりです。おじいちゃんがお世話になっています。」

そう、挨拶をすると、

「七海ちゃん!久しぶりだねー。ほんとに、すみれちゃん、そっくりだなー!可愛いなー!ヤスは良いなぁ!こんな可愛い子と毎日いられて!勉強どころじゃないよな!?」

ヤスくんは小さな声で、うるせーよと、照れたように呟いた。

「七海。迎えにきてくれたんか?」

「うん。」

「12時になったら帰るべよ。お前もヤスくんと遊んでろ?」

「じぃちゃん!あと2時間あるよ?」

「大丈夫だー!ばーさんはご飯作ってくれとるよ。」

「ばぁちゃん一人でご飯作るの大変だから、私も手伝うよ。」

「あー?心配ねーよ。」

そう言って、またヤスくんのおじいちゃんと話し込んでしまった。

じいちゃんたち、話好きっていうか、しょっちゅう一緒にいるのに、よくそんなに話題があるよね。

「こりゃ、昼まで動かないから、俺の部屋……行こう?」

「あ、うん。」

ヤスくんについていきながら少し二人の会話に耳を傾ける。

「早く曾孫見たいなー。」

「ヤスと七海ちゃん、くっつくべ!」

「だなー!貢さんもそう思うかい!俺もだ!」

「順調にいったとして、二十歳で結婚、21で子どもとなったら、あと何年だ?」

「あと5年だ!」

「まだまだいけるな!」

そんな会話してた!

えっ?

やだ!恥ずかしいっ!もう結婚の話してる!

そりゃあいつかは結婚したいけど…その相手なんてまだ…

ヤスくんも聞こえてたかな?

チラッと横顔を見ると、顔が真っ赤だった。

あ、聞こえてたんだね。


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