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ぜんぶ二人ではじめて

第12章 特別扱い

「お茶、お待たせ。」

「あ。おかまいなく。」

ヤスくんが相向かいに座布団を敷いて座った。

「市川さんのじぃちゃん、元気だね。」

階下からはじいちゃんの笑い声が聞こえる。

「うん。まだ50代から。」

「え?若いね!この辺に住んでる人って、みんなうちのじいちゃんと同じくらいかなって勝手に思ってたよ。」

「うち、親も若いからさ。」

「そうなんだ!さっき、すみれちゃんそっくりってじいちゃんが言ってたけど、そんなに似てた?」

「うん。そっくりだよ。母さんの昔の写真見せられて、誰だ?って聞かれたことあるんだけど、何も疑わずに、私だと思ったもん。」

「そんなに似てるんだ。」

「またみんなでお泊まり会しようよ。計画立てよ?」

「あぁ。良いの?」

「うん!」

「じゃあ、終業式の日とかは?」

「良いね!みんなで宿題できるしね!」

「そうだね。……アルバムでも見る?」

「うん!」

そう言ってヤスくんがアルバムをとってくれた。

ペラペラ……

ペラペラ……

良かった…気まずさはない。

ドキドキはするけど。

普通に話せて良かった。

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