テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第12章 特別扱い

アルバムのページが進んでくと、傷だらけの男の子たちが目に止まった。

「ヤスくん、やんちゃな男の子だったの?」

写真にあるのは、小学校3年生くらいかな?どの写真も傷だらけ!

「あぁ。昌樹としょっちゅうケンカしてたよ。取っ組み合いのね。」

思い出して笑いながら話す、ヤスくん。

「えー?なんか意外!二人とも優しいのに。」

「男は見た目じゃないんだよ。」

なんて言いながらまた笑った。

「そうだよね。昌樹くんと彩月ちゃん、付き合ってもう、半年近い?聞いたときは驚いたな。」

と、自分で言っておいて、この話題は避ければ良かったと後悔した。

「昌樹は、ずっと彩月のことが好きだったんだよ。で、高校入ったら、彩月のやつ、誰々がカッコいいだの言い出したから、昌樹は焦ってさ。」

そういえば、晃くんのこと、カッコいいって言ってたなぁ。

「そうだったんだ。二人、お似合いだよね。羨ましいな。」

「あぁ。確かに羨ましいよね。」

急に心臓が騒ぎ始める。

「今日はデートかな?」

「あぁ。映画見に行くって言ってたよ。」

「そうなんだ。何みるのかな?」

「恋愛系じゃん?」

まっすぐ見つめて言う。

な、なに?ヤスくん。そんなに見つめないで。

ヤスくんの視線にドキドキがもっと駆け足になる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ