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ぜんぶ二人ではじめて

第12章 特別扱い

「お兄ちゃーーん!彼女ー?」

大きな声で叫んだ、円香ちゃん。

「友達だよ!」

ズキッ…

友達……その言葉に心が反応する。

ヤスくんは普通の声で言ったから、円香ちゃんたちには聞こえない。

「彼女さーん!兄をよろしくお願いしまーす!」

と、続けた。

「ごめんね。あいつ。」

謝るヤスくんに、平静を装いながら、

「良いよ。気にしてないよ。」

そう伝え、私は二人に、

「こんにちはー!七海って言います!よろしくねー!」

と、叫んだ。

「こっち、来るかな?」

そう思ったけど、二人は、

「ご挨拶行きたいですが、今日は邪魔しちゃ悪いので、次会ったら、ちゃんとご挨拶させてくださーい!」

と、叫んで返した。

「恥ずかしい奴らだ。まったく。」

ヤスくんが困った顔で、少し照れた顔で、

「ちゃんと後で話しとくよ。」

と、言った。

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