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ぜんぶ二人ではじめて

第13章 はじめの一歩

「ナナちゃん!」

ガバッ!

さっきとは違う、しっかりと抱き寄せて、

「ありがとう。」

そう伝えた。

「ヤスくん……ありがとう。大好きだよ。」

両想い……。

なんか……

すごく、ドキドキする!

嬉しい!!!!!

ヤスくんのドキドキが聴こえる。

私だけじゃないんだって分かって、嬉しい。

ヤスくんが体を少し放して、

「ナナちゃん」

名前を呼んだ。

「ヤスくん……」

あ……キス……するのかな?

キスしたいけど……

ヤスくんが右手で私の髪を耳にかける。

そしてその手で頬を包んで少し持ち上げた。

大きな手。

優しくて強い、護ってくれる手…

だけど、座ったまま抱き合ってるから、逃げ場がない気がして、ちょっと怖くなった。

時々、目線が胸にいってるのが分かった。

それがものすごく恥ずかしくて、なおさらドキドキした。

ヤスくんがかっこよくて……

胸を見られるのも、触られるのも、ヤスくんなら……

なんて頭を過る。

「もっと、見せて?」

声が少しセクシーに聴こえた。

ますますかっこよく感じて、

自分の考えも恥ずかしくなって、ドキドキうるさくて、

「あ。…や…だ。…だめ。しん…ぞ…壊れちゃう。」

バクバクバクバクいってる心臓のせいで、うまく喋れない…

「ゴメンな。可愛くて、つい。」

そう言って、一瞬抱き寄せてから、体を放した。

くっついていた所だけじゃなくて…全部…あつい…

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