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ぜんぶ二人ではじめて

第14章 そっとギュッと

「あ!」

ナナちゃんが小さく声を漏らした。

「ん?」

ナナちゃんが顔真っ赤にして、

「ヤスくん……続き……したいよ。」

と。

!!!

「嫌なんじゃない??」

ちょっと意地悪言ってみた。

「さっきは……ドキドキしすぎて……ちょっと怖くなったの。でも、嫌なわけじゃないよ。……ヤスくんとなら……全然嫌じゃない!」

ナナちゃんが照れながら少しムキになって言った。

「ありがと。続きって?ぎゅって抱き締めること?」

ナナちゃんが、

「うん。でも、この前の……続き……も……したい……」

って、さらに顔を真っ赤にして言った。

『次はキスさせてね』

俺はこの前の言葉が過った。

『キスは恥ずかしいよ』

さっきのナナちゃんの言葉も過った。

ナナちゃん、キスは付き合ってからしたかったんだな。

俺もだよ。

「ナナちゃん……いいの?」

「(コクン)」

俺はもう一度、そっと、抱き締めた。

ドクン……

ドクン……

ドクン……

二人の鼓動が共鳴する。

下を向くナナちゃんの頬を掌で包んで上に向けた。

目が合う……

ドッキン!

ドッキン!

ドッキン!

ドッキン……

「ナナちゃん……好きだよ。」

息がかかる距離……

「私も。ヤスくん……好き……」

そう言ってナナちゃんは目を閉じた。

ユラリ……

ナナちゃんにさらに近づく。

そして、

チュッ……

唇が重なった。

!!!

すっげぇぇぇ!柔らかいっ!

静かに呼吸をする。

くっついてる唇から、鼓動が聴こえる。

全身が心臓になったみたいだ。

しばらくの間、キスをして、

離れた。

優しいキス……

目が合う……

二人とも真っ赤だ。

愛しくて、

もっとくっつきたい。

そう、瞳で話す。

どちらかともなく、俺たちはまた距離を縮めて、

チュッ……

唇を重ねた。

優しい時間が流れる中、唇を離す。

恥ずかしくて、お互い、目線が合わせられなかった。





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