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ぜんぶ二人ではじめて

第16章 密着

ぎゅぅぅ……

て、抱き締められたけど、

その腕の力は優しくて……

私も大好きだよって気持ちを込めて、ヤスくんの背中に手を回した。

「ヤスくん、足、大丈夫?」

「うん。もう、平気。」

今までにないくらいの密着。

ぎゅぅぅっ!

ヤスくんの背中、広いなぁ。

ドキドキ

ドキドキ

素肌が触れ合うから、何だか緊張しちゃう!

私は腕を曲げて、肩甲骨のあたりに手を当てた。

「ナナちゃん。」

体を少し離して、見つめあった。

あ。

キス……?

目を閉じたら、

期待してるって思われちゃうよね。

どうしよう……

見つめあうだけでも緊張するよ。

さっきもしたのに……さっきより、密着率が……

ドキドキがとまらない。

ヤスくんに、

「ヤスくん、好き。」

そう、はっきり伝えた。

ここはウォータースライダーの裏側。

誰も来ない。

「ナナちゃん。オレも、大好きだよ。」

そう言って、

バクバク言ってる心臓を落ち着かせるかのように、

軽く深呼吸した。

そして、

「キス……しても……良い?」

そう聞いてきた。

「うん。」

そう答えた。

目をつぶった。

震えながら、唇がそっと触れあった。

チュッ……

優しいキス……

ヤスくん!!!

ドキドキ

ドキドキ

全身が心臓になったみたい!





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