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ぜんぶ二人ではじめて

第17章 懺悔

オレなりに緊張もしていたし、反応しないようにって意識もしてたから、

って、関係あるか分からないけど、

足がつった!

ナナちゃんがオレを心配して、椅子を取りに行ってしまった。

さすがに片足じゃ追い付けない。

でも!何としても追い付かないと!

ナナちゃん、自分が可愛いってこと、全く自覚ないからなー。

あーーー!

やっぱり!またナンパされてる!

なんだよ、あいつ!

ムカムカムカッ!

ナナちゃんの柔らかい腕を掴んでやがる。

ムカムカムカッ!

「ナナちゃん!」

「ヤスくん……」

あ。ナナちゃんがムカついてる。

泣いてなくて良かった。

ムカついてても可愛いなー。

なんて思ってしまう。

どんだけ惚れてんだよ。

「オレの彼女に何か用ですか?」

そう言ったら、無言で走り去る、男。

ウザイ!

でも、ナナちゃん?

「連れ去られたらどうすんだよ!本気で守りたいんだよ。守らせて……」

オレは、本気で守りたいんだよ。

だから、離れるなよ。

「ゴメンね、ヤスくん……」

泣いちゃった。

「泣かないで、ナナちゃん……」

ナナちゃん……

「ヤスくんの優しさが嬉しくて。」

そう言うナナちゃんが本当に可愛くて可愛くて……

気がついたら正面から思い切り抱き締めてた。

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