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ぜんぶ二人ではじめて

第18章 我慢は続くよどこまでも

「ナナちゃん!オレ、感動した。」

それしか言えないくらい、感動した。

「ありがとう。なかなか外でなんて歌わないから、恥ずかしいな。」

「今度、カラオケいこうね!」

「うん!」

外灯が、パチン!

いきなり切れた!?

「きゃっ!」

目が暗闇に慣れない。

「ナナちゃん?」

「ヤスくん?」

5メートルくらいだろうか?

距離にしたら大したことないが、

手を伸ばしても届かない。

「大丈夫?」

「怖い……」

急に真っ暗……

そりゃ焦る。

ナナちゃん、暗闇苦手だもんな。

「目が慣れてきた。そこにいて?」

「うん。」

そっと手を伸ばした。

「あっ!ヤスくん!!」

ナナちゃんの手がオレを掴んだ。

そして

ドン!

胸に飛び込んできた、ナナちゃん。

ドキドキ

ドキドキ

「大丈夫だよ。」

声がひっくり返りそうになった。

「暗いのやだ。」

カタカタ

小さく震えていた。

ナナちゃん、本当に怖いんだな。

オレが小さい子をなだめるように、頭を優しく撫でて、

「大丈夫だよ。ナナちゃん。大丈夫。」

そう言った。

何度も優しく撫でていたら、

ナナちゃんの震えが止まった。

「ヤスくん。」

名前を呼ばれる。

「ん?」

「ありがとう。安心した。」

そう言ってオレの背中に腕を回して、

強めにギュッと抱きついた。

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