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ぜんぶ二人ではじめて

第19章 ちょっとだけ……

「あ!はい。」

ヤスくんが気がついて、焼きそばを口元に運んでくれる。

「あーん。」

ヤスくんが頼もしいのもあるけど、

人にあまり甘えたことがないから、

ドキドキするけど、

甘えたい。

もっともっと、甘えたい。

今度は私がヤスくんに焼きそばを食べさせる。

「はい、あーん。」

照れてるヤスくんもたくさん見たい。

クレープも食べて、

トイレに行った。

真っ暗で……

とても怖くて、

ヤスくんに来てもらった。

ペンライトを貸してくれたから明るくなって、恐怖心はだいぶ和らいだ。

でもまだ半減したくらいで……

歌を歌って気を紛らした。

ヤスくんが歌が上手いって誉めてくれて、とても嬉しくなった。

トイレから出た後、外灯の下で歌った。

ヤスくんがオレのために歌って!なんて、言うから、何だか張り切っちゃった!

急に外灯の電気が消えた!!!

暗闇が苦手な私は、パニック!!!

「ヤスくん……怖い。」

そう言ってヤスくんが来てくれるのを待つしかできない。

目の前にヤスくんの手が見えて、

ガシッ

がっちり握って、そのまま、ヤスくんの胸にもたれかかった。

ヤスくんが頭を撫でてくれる。

胸がキューーンと締め付けられて、

ドキドキが止まらなくなる。

でも、恐怖からは落ち着いて、

子どもみたいにヤスくんの胸に頭を刷り寄せた。

そろそろ会場へと導こうとするヤスくんだったけど、もう少しこのままでいたくて、おねだり。

ヤスくんを困らせてばかりだけど、

ヤスくんが好きだからもう少しくっついていたい!

「キス、したい。」

自分から言ってしまって、

だんだん大胆になっていく。

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