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ぜんぶ二人ではじめて

第19章 ちょっとだけ……

何度か重ねた唇……。

「これが、大人のキスだよ。」

教えてくれる……大人への階段の第一歩……

……ディープキス。

思わず漏れる吐息……

自分の吐息なのに、なんだかやらしくて、

目の前がクラッとした。

激しい、初めてのキスで、

脚がガクガクして、

立っているのがやっとの状態になった。

はぁ

はぁ

はぁ

……

息遣いが漏れる。

止まらない、キスの嵐。

ヤスくん!

好き!

ヤスくん!

もっと、キスしたい。

私は夢中になっていた。

でも、私のお腹あたりに硬い違和感を感じて、

ない知識を絞り出し、

保健で習ったことを思い返し、

やっとのことでその正体が分かった時、

一気に恥ずかしくなった。

唇を離して、

瞳を開けると、

外灯はついていて、

ヤスくんの瞳に私が映るから、

上半身だけ捻ったけど、

足腰に力が入らなくて、

「やん。恥ずかしいっ!」

それしか言えなかった。

ヤスくんが、

「ゴメン」

と一言。

でも、待たせてるのは私だし、

謝るのは違うかなって思って、

「謝らないで。」

そう言ったのは良いけど、

どうしたら良いの?

離れたくても脚が動かない。

「襲いたくなる!」

なんて言うから、ビクッと反応してしまって、

「うそ?」

驚きながら聞いた。

「冗談。」

でもヤスくんが

「ナナちゃんのこと大切だから、待つよ。」

と。

私はとても嬉しくて、ニコニコしていた。





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