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ぜんぶ二人ではじめて

第22章 新しい景色

ヤスくん。

「ダメ。本当は親衛隊の存在、複雑。だけど、悪さしなそうだからまぁ、良いかって……。握手なら構わないけど……でもやっぱり……。」

ヤスくんが照れながら困りながら話す。

なんだが可笑しくて、

「クスクス……」

教室の壁側で話してた。

「ナナちゃん……笑うな。」

「だって……フフフ……」

「ナナちゃん……」

ヤスくんが真面目な声で言うから、見上げた。

「ナナちゃんに夢中なんだよ。ホントに。」

見つめられると……

ドキドキする。

「私だって、同じだよ。ヤスくんにしかドキドキしないよ。」

「晃くんに、ドキドキしなかった?」

「しなかったよ。」

「本当?」

「うん。」

「ナナちゃん……」

ヤスくんが壁に両腕をついて、私を見つめる。

「ヤスくん……」

ドキドキドキドキ……

「ナナちゃん……大好きだよ!」

キューーンッ!

そう言うと顔を近づけてきた。

「ヤスくん!ここ、学校!」

「誰も見てないよ。キスしたい。キスさせて?」

なんて言うからまた、胸が……キューーンッ!てなった。

「……一回だけ、だよ?」

「あぁ。」

チュッ!

唇を食べるみたいな、なんか、ちょっとエッチなキスをされた!

唇が離れて、唇を親指で触れられて……どうしたら良いか分からなくて、恥ずかしくて、視線を反らす。

「可愛い。ナナちゃん……」

そう言ってヤスくんが、

瞼と頬とオデコに、

チュッ!

チュッ!

チュッ!

「ナナちゃん……。好きだ。」

ドキンドキンドキン……

その声に、その瞳に鼓動が高鳴る。

「ずっと抱っこしてたい。」

「抱っこ?」

「そー。もう、片時も離れないように。」

「……ヤスくん。大好き。」

キュッと、背中に手を回して抱き締めた。

「ナナちゃん……あんまくっつかれるとヤバい。」

「何よ。自分からキスしたくせに。」

「そうじゃなくて……胸が……さ。」

「ヤスくんのエッチ!」

そう言って離れたら、

強引に腕を引き寄せて、

唇にチュッ!

「ヤスくん!」

「ヘヘ。そろそろ戻らないとだよな。」

ガタン!

???

「あ。……えっと……ゴメン。見るつもりはなくて……その……出てくタイミングが……」

「竜一くん!」



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