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ぜんぶ二人ではじめて

第22章 新しい景色

「ヤスくん、本当にありがとう。」

ナナちゃんが言う。

「いいえー。」

ガチャッ!

「二人ともおかえりなさい。」

「ただいまー!」

「戻りました。」

リビングに行って、荷ほどきをする。

「可愛い!!!」

お母さんが嬉しそうな顔で、楽しそうに言う。

「これ、ヤスくんが選んでくれたんだよ。」

ナナちゃんが報告する。

「ヤスくん!センス良い!これも可愛い!!!」

お母さんがいちいち反応してくれる。

「これは、私が選んだの。」

ナナちゃんも楽しそう。

「いやーん!こんなに可愛いのばっかり!!!早く着せたいね!」

お母さん、まるで少女のようにはしゃいでる。

ナナちゃんがテンション高いときにそっくり!

可愛いな。

まるでナナちゃんの将来を見てるみたい!

俺もすごく楽しい!

ニコニコ

自然と笑顔になる。

ナナちゃんのお母さんを通して、未来のナナちゃんを見てる自分がいた。

ワイワイ

ガヤガヤ

商品を選別して、俺たちは赤ちゃん用のタンスに畳んでしまった。

そこへお父さんが帰ってきた。

「ただいまー!」

「おかえりなさい。」

「お邪魔しています。」

「泰宏くん。今日はお買い物ありがとう。」

お父さんが頭を下げながらお礼を言う。

「いえ。本当にただ楽しんでただけですから。」

俺は素直に答える。

「すみれ、七海と泰宏くんが選んでくれた、チャイルドシートとベビーカーとベビーバス、受け取ってきたよ。」

「ありがとう。重たかったでしょ。」

「いえ。おじいさんと一緒に運んだので、大丈夫でした。」

「七海。本当に泰宏くんみたいなステキな人と付き合えて良いね。」

なんて、お父さんに言われると、

なんだか緊張してしまう。

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