ぜんぶ二人ではじめて
第22章 新しい景色
俺たちも地元の駅に着いた。
無言で歩き始めた。
「ごめんな、ナナちゃん。」
「え?」
「もっと早く気がついてあげられてれば……」
そう言った。
「ううん。助けてくれて、ありがとう。」
「助けられてないじゃん。あんな奴にナナちゃんのお尻……」
本当に悔しかった。
涙が出そうになった。
うつむいて歩いた。
「ヤスくん……ちゃんと守ってくれたよ。」
ナナちゃんがもう一度言う。
顔をあげると、
「だって、ヤスくん、私が痴漢に遭ったって、周りの人に言わなかったでしょ?
‘この子に’って言わなかったでしょ?」
そう言った。
「うん。」
「それが、とても嬉しかったの。」
「?」
俺にはよく分からなかった。
「ありがとう、ヤスくん。」
そう言って笑顔になったナナちゃんを見て、
ナナちゃんの笑顔が守れて良かった……
そう思った。
ナナちゃん家までの道中は、街灯も少ないし、田舎だから、暗い。
ナナちゃんとずっと手を繋いで、歩けてるこの時間が、すごく幸せだ。
冬だから暗くなるのが早い。
ナナちゃん家に着くと……
無言で歩き始めた。
「ごめんな、ナナちゃん。」
「え?」
「もっと早く気がついてあげられてれば……」
そう言った。
「ううん。助けてくれて、ありがとう。」
「助けられてないじゃん。あんな奴にナナちゃんのお尻……」
本当に悔しかった。
涙が出そうになった。
うつむいて歩いた。
「ヤスくん……ちゃんと守ってくれたよ。」
ナナちゃんがもう一度言う。
顔をあげると、
「だって、ヤスくん、私が痴漢に遭ったって、周りの人に言わなかったでしょ?
‘この子に’って言わなかったでしょ?」
そう言った。
「うん。」
「それが、とても嬉しかったの。」
「?」
俺にはよく分からなかった。
「ありがとう、ヤスくん。」
そう言って笑顔になったナナちゃんを見て、
ナナちゃんの笑顔が守れて良かった……
そう思った。
ナナちゃん家までの道中は、街灯も少ないし、田舎だから、暗い。
ナナちゃんとずっと手を繋いで、歩けてるこの時間が、すごく幸せだ。
冬だから暗くなるのが早い。
ナナちゃん家に着くと……