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ぜんぶ二人ではじめて

第25章 誕生

病院に着く途中で飲むゼリーと飲み物とおにぎりとサンドイッチを買った。

片手で手軽に食べられる物が良いって、田中先生からのアドバイス資料にあったから。

「じぃちゃん、病院までどれくらいかかる?」

「あと5分くらいだよ。」

「そっか。」

もうドキドキして、感覚がおかしい。

「ナナちゃん……落ち着いて?ナナちゃんが慌ててたら、お父さんも落ち着かないよ?深呼吸して?」

ヤスくんが優しく手を握って、見つめて、話してくれた。

スーハー

……

そっか。

そうだよね。

私はこれから、お姉ちゃんになるんだ!

お母さんが頑張る姿をちゃんと見て、

お父さんとお母さんのことをサポートするんだ!

そうだった!

ヤスくん……

「ありがとう、ヤスくん。大丈夫。」

そう伝えた。

「たくさん、感動して泣こうね?!」

ヤスくんが支えてくれるから、強くなれるんだ。

「うん!」

「さ。病院着いたよ。」

よしっ!

病院に着くとすぐ、お父さんがウロウロしてた。

「お父さん!」

「あ!七海!お義父さんたちも!そっか。タクシー使うことなかったね。」

「そーだよ。ヤスくんがいろいろ考えてくれたり、思い出したりしてくれて、本当に助かったの。」

「ありがとう、泰宏くん。」

お父さんがヤスくんに伝える。

「いえ。あの……状況はどんな感じなんですか?」

「陣痛も始まったよ。まだ、10分おきだけど、破水してるから早いかもって。」

「お母さんは?会える?」

「あぁ。こっちだよ。」

お父さんに案内されて、陣痛室に行った。

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