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ぜんぶ二人ではじめて

第25章 誕生

ドアの前に行くと……

「痛い痛いぃぃ……」

お母さんの声が聞こえた。

その声にちょっと怖じけづく。

でも!

カチャッ……

ドアを開けた。

「お母さん!」

「七海ー……」

お母さんが涙目になって、情けない声を出していた。

「お母さん!頑張って!私、頼もしいお姉ちゃんになるから!」

励ますことしかできない。

「うん。頑張る……」

看護師さんが、

「もう、子宮口が8センチまで開いているので、分娩室に移動しますね?」

と、案内してくれた。

分娩台に乗って、

「何か飲む?」

お母さんに聞いたら、

「うん。喉渇いた。」

と答えたので、

「ゼリーもあるよ?」

と、勧めた。

「いったぁぁ…………はぁ……」

肩で息をしながら、痛みを逃してる。

「開けとくから、落ち着いたら言って?」

「寿彦さんは?」

「呼んで来ようか??」

「うん!」

「分かった。じゃ、ゼリー渡すよ?」

「んっ!」

廊下にいたお父さんたちに声をかけた。

「お父さん、お母さんが呼んでるよ。」

「ありがとう。」

少しの間、バトンタッチ。

この病院は、一家族、一人しか分娩室に入れない。

その代わり、生まれてから問題なければ、体重測るところとか、見せてくれる。

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