テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第3章 勘違いの恋

泰宏くんの濡れた服、乾かさないと……

「下着まで濡れちゃった?」

「上だけね。」

「そっか。じゃあとりあえず、脱いでこれで拭いてて?乾燥機で乾かしてる間、お父さんのシャツ、貸すね?」

「あ、何か……何から何までありがとう。」

「いいえ。」

そう言って、私はお父さんの部屋にあるシャツを持った。

泰宏くん、照れてた?

心なしか、顔が赤かったような気がする……。

なんて、私も多分、真っ赤だったけど。

招いたリビングに戻る。

「泰宏くん……体、拭けた?」

私がリビングに入ると、上半身裸で肩にバスタオルをかけた状態でいた。

腹筋、割れてる!

めちゃくちゃ絞まった、筋肉質な体!!!

「あぁ。」

一言言うとすぐに、頭を拭き始めた泰宏くん。

「あっ!ゴメ……」

上半身裸の泰宏くん!

ドクン!

「ん?何?」

頭、拭いてたから聞こえなかったのかな。

“ゴメン”なんて、いかにも意識してますって思われちゃう!

私はドキドキをはぐらかしながら、

「あ、えっと……これ。」

俯いて、なるべく見ないようにして、シャツを手渡した。

「サンキュー。」

男の人の上半身裸なんて、お父さんの見てるのに!

何で?

なんでこんなにドキドキするの?

恥ずかしくて目線合わせられないよ!

「!市川さん……その……言いにくいんだけど……」



「ん?」

「えっと……市川さんも体、拭いた方が良いよ。」

「え?」

「下着……」

恥ずかしそうにそう言った。

「あっ!」

さっき、濡れてる泰宏くんに抱きついちゃったから……

服、濡れて、

透けてる!!!

「や!ゴメンね。」

バッと手で隠して、タオルを持って、部屋へ。

やだ!

恥ずかしい!

泰宏くんに見られた!

今日のブラ……可愛いやつで良かった……!

じゃなくて!

どうしよ。

困ったよね。

ゴメンね。

さっさと着替えて、リビングに戻った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ