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ぜんぶ二人ではじめて

第28章 思う存分

side 七海

今日は、お母さんが、美空ちゃん、陸翔くんを連れて帰ってくる日!

外はとーーーっても寒いけど、心はぽかぽかあったかい!

お父さんが迎えに行った。

深澤のじいちゃん、ばあちゃんも後から来る!

市川のじぃじとばぁばはお父さんたちと一緒に来る!

ヤスくんも来てくれた!

今は二人きり。

あと二時間でみんなが来る!

ソワソワしながら、お祝いパーティーの準備をして、待っていた。

ヤスくんと毎日、病院に通って、抱きかたからオムツ交換まで、もう、バッチリ!

毎日会ってるのに、エッチしてないから、ヤスくん、ちょっと寂しいみたい。

でも、キスすると絶対最後までしちゃうんだもん。

「ナナちゃん?」

「ん?」

「並べ終わったよ?」

「ありがとう。私も終わった!あとはみんなが来てからで良さそうね。」

そう言って、二人でソファーに座った。

「お疲れ様。ナナちゃん?」

「なぁに?」

「キスしようよ。」

「えっ?だ、ダメだよ。」

「まだ時間あるって!」

「でも。早く来ちゃうかもしれないし。」

そう話していたら、

プルルルル……

『じいちゃんからです。』

電話が鳴った。

「もしもし?じーちゃん?」

「七海?すみれの病院で、退院の手続きに時間がかかってるらしいんだ。遅れるって連絡きたからなー。」

「はーい。」

「病院出るときに連絡来ることになってるから、電話来たらまた連絡するわ。」

「分かった。じゃあね。」

ガチャン……

受話器を置いて、ソファーにいるヤスくんの隣に座った。

「深澤さん、何だって?」

「う、うん。病院で退院の手続きに時間がかかってるから遅くなるって……」

「マジで?!」

「うん……」

うつ向いて座る私の隣で満面の笑顔のヤスくんを感じていた。


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