テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第29章 愛をあげよう

それから残りの準備を行った。

このあと、ナナちゃんのお父さんとお母さんたちに会うんだと思ったら、何だかソワソワして、落ち着かない。

でも、

「ただいま。」

そう言って帰ってきた、ナナちゃんのお父さん、お母さんの腕にはしっかり抱かれた赤ちゃんがいて、

なんだかとても新鮮で、

微笑ましい光景に包まれて、

ソワソワした気持ちなんて吹っ飛んだ。

「留守の間、七海がすっかりお世話になってしまって。いろいろありがとうね。ヤスくん。」

ナナちゃんのお母さんとお父さんから、そんな有難い言葉までいただいた。

「いえ。こちらこそ、鍵が直るまでの間、図々しくお邪魔させていただいて、ろくにご挨拶もせず、すみませんでした。ありがとうございました。」

やっときちんと挨拶が出来た!

ホッとしたー。

俺としては気になっていたことだったから、解決して良かった。

「うわー!すごいご馳走じゃない!」

万葉さんがはしゃぐ。

「ほんとだ!七海が作ったの?」

ナナちゃんのお父さんが目を丸くする。

「ヤスくんと作ったんだよ。」

ナナちゃんが答える。

「ほとんどナナちゃんが作ったんですよ。俺は並べただけです。」

「ありがとうね!嬉しい!」

ナナちゃんの笑顔にそっくりで、お母さんにドキッとした!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ