テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第30章 ファンクラブの掟.

「掟に、恋愛が発展したら調査するってあるじゃない?それって、例えば……キスしたとか?そういうこと?」

「そうだよ。」

「調査してどうすんの?」

「それは、想像するんだよ。」

「想像?」

「そ。そのとき、市川がどんな顔をしてるのかとか。相手はさておき、自分と仮定してさ。」

「???それって、楽しいの?」

「もちろん!」

「市川は、いわば、マスコット的存在なんだよ。俺たちの中で。」

「待って……。じゃあ、リアルじゃないの?」

「いや。リアルだけど、今はヤスくんと付き合ってるし、自分を好きになってくれるはずないだろ?だから、仕方なく、大人しく、想像することにしてるんだよ。」

「そうなんだ。」

「市川!俺ら、久しぶりに会ったら、市川がやたらキレイになってて驚いたんだけど。ヤスくんと……エッチした?」

「…………ひみつ。」

「教えてくれよー!」

「やだ。ナイショ。」

「どうしても?」

「そーゆープライベートなことは言いたくないよぉ。」

「想像されるしな。」

「そうだよ!想像って何?」

「なんならここで実演してくれても良いよ!」

「しないよ!」

「するかよ!第一、想像を共有するってこと?」

「そうだよ。」

「どうやって?」

「例えば、市川が抱き締められた……は、市川がどんな表情だったのか?どんな仕草をしたか?萌えポイントをピックアップしていく。で、どんなセリフを言ってもらいたいかをまとめる。」

「まとめる?書くの?」

「いや。コレ。」

そう言ってパソコンを出した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ