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ぜんぶ二人ではじめて

第4章 晃くんが分からない

二人で教室に入る。

もうほとんどの生徒が登校してた。

彩月ちゃんと昌樹くんも来ていた。

「七海ちゃん、おはよー。」

彩月ちゃんが先に挨拶してくれた。

「おはよ。」

「ヤスくん、昨日、大丈夫だった?雨。」

昌樹くんがヤスくんに話しかける。

「いや。ずぶ濡れになってさ。市川さんがチャリ預かってくれて、母さんに迎え来てもらった。」

「そうだったんだ。俺と彩月は家に入る少し前に降ってきたから、ヤスくん学校出た後かなって……。へぇ?市川さん家にいたんだ?」

「あぁ。雨宿りさせてもらった。」

「雷も鳴ってたよね?」

「あぁ。何だよ?昌樹。」

「いや……二人きりだったんだ?と、思って。」

二人の会話を聞いてたら、昨日のことを思い出して、ドキドキドキドキしてきた!

「そうだよな!ヤスくん!本当に市川と何もなかったの?」

え?輝くん。

「俺たちにも教えて?!」

竜一くん?悦史くん、彰一くん……

ぞろぞろと……何だろう?

「市川って、雷嫌いじゃなかった?」

と、悦史くん。

「ヤスくん!市川と何もなかったの?」

やんややんや……

「いや……何もないってことはないんじゃない?」

と、泰宏くん。

何言うんだろぅ?

「何もない1日なんてあるわけないじゃん!なぁ?市川さん。」

隣にいた私にそう言った。

泰宏くん……

「うん。」

私はドキドキする気持ちを真っ赤になりながら必死で抑えて、微笑みながら頷いた。

「ちょっと!どんどん可愛くなってくし!やべー……」

と、輝くん。

「輝はエロしか考えてないだろ?」

彰一くんが茶化す。

「だって、めちゃくちゃ可愛いじゃん!」

「え?」

そんな発言にドキドキした!

「市川〜…」

輝くんが呼ぶ隣で竜一くんが切なそうな表情をしていた。

くるっと向けた背中を見て、ドクンッ!ドクンッ!て鳴った。

???なんだろう???

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