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ぜんぶ二人ではじめて

第31章 深まる…

そば処に着いた。

「前から一度、ちゃんとやってみたかったの!」

そう言って、ナナちゃんがニコニコしてる。

紙に名前を書いて、渡した。

お店の人は丁寧に教えてくれてるが、ナナちゃんの呑み込みの早さに驚いていた。

ほんと、すげーな。

けっこう、職人さんが教えてくれるから、“これくらいの量”とか、“だいたいこんなもん”とか、おおざっぱな説明も入ってくるんだけど、ナナちゃん、完璧で、出来上がりを見て職人さんが、

「キミはそばうち、初めてなのかい?」

と、目を見開いてた。

「はい。おばあちゃんがたまにうつのを見てたから手順は分かりますが、一から自分でっていうのは今日が初めてです。」

そう答えて、

「大したもんだよ。」

と、誉めちぎっていた。

もちろん、味も最高!

俺は作るのは苦手だ。

全然、繋がってない。

「料理は俺はダメだなー。」

と、呟いた。

「食べる専門で良いじゃない。」

と、ナナちゃん。

「彼女が料理上手なんて最高だね!」

なんて冷やかされたけど、楽しい時間を過ごせた。

「お世話になりました。」

と、挨拶をして、店を出た。

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