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ぜんぶ二人ではじめて

第31章 深まる…

「さて!次は?」

ナナちゃんの楽しそうな笑顔が嬉しくて、そう聞いた。

「私、多分、めちゃくちゃ下手くそだけど、ガラス細工、ヤスくんとお揃いの、作りたい。」

俺、多分、そーゆーの、得意。

「お揃いか。良いね!作ろ!」

そして、また商店街を歩いて、目的地に。

ガラス細工は、何個作っても良いらしい。

ガラス細工の原料が配られ、その量で作れる物なら何個でも……って感じだった。

俺はナナちゃんとの物はもちろんだけど、美空ちゃんと陸翔くんにも……と思って作った。

ナナちゃんは無難にハートにした。

待て!!!

お揃いのってことは、俺もそれを作るのか?

恥ッ!!!

まぁ……いーか。

ナナちゃん、喜ぶだろうしな。

美空ちゃんと陸翔くんには、動物で、ネコを2つ作った。

出来上がるまで、時間がかかるから、俺たちは商店街を見て回った。

実は誕生日プレゼント、まだ買ってない。

この前、ブレスレットを贈ったから、今回は……何が良いかな?

俺は、ストレートに、

「ナナちゃん、誕生日プレゼント、何が欲しい?」

そう聞いた。

そしたら

「十分、今、もらってるよ。」

そう言って、

「連れてきてくれて、ありがとう!」

かわいくてキレイな笑顔でそう言った。

参ったな。

そう言ってくれるのはすげー、嬉しいんだけど、俺としてはやっぱり形に残したいんだよな。

あれこれ商店街を見てたら、ナナちゃんがある店で足を止めた。



ジュエリーショップだ。

やっぱ、こーゆーのが欲しいんだな。

ナナちゃんは素通りしようと心がけていたみたいだが、

スルーしようとするナナちゃんをよそに、

先に店に入った。

「え?ヤスくん?」

「あれ?入らねーの?」

「え!だって!」

「何?」

「見るだけなら良い?」

上目遣いで聞く。

「あぁ。もちろん。」

俺が微笑むと、ナナちゃんが真っ赤になった。

ほんと、可愛い。

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