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ぜんぶ二人ではじめて

第31章 深まる…

「ピアス……開けようかな。」

「んー?なんで??」

「だって、イヤリングよりピアスのほうが可愛いの多いんだもん!!」

「イヤリング持ってんの?」

「持ってるけど、イヤリングて、長い時間着けてられないの。耳たぶが痛くなっちゃって。」

「そうなんだ。」

女子ならではの悩みだな。

「ヤスくんは私がピアス開けたら嫌?」

「全然。あー……でも、深澤さん、二人とも何か言いそうだなー。」

「!絶対言う!」

「説得してからにしたら?」

「そうだねー。」

諦めた様子。

「!!!可愛い!!!」

ん?

覗き込むとこの前プレゼントしたブレスレットに似た、指輪だった。

俺、真っ先に値段が気になる。

あぁ……今は仕方ないにしろ、ずっとこういうのは嫌だなー。

手頃な値段だった。

「お試しになられますか?」

と、店員さん。

「でも……」

迷ってる様子のナナちゃん。

「お願いします。」

と、俺。

「ヤスくん……」

「決める決めないは試したあとでも良いじゃん。」

そう言うと、

「うん!」

と言って、笑った。

「ブレスレット、貸して?」

そう言って、俺は左手首に着けていた、ブレスレットを右につけ直した。

「左の薬指はもう少し先になってからね。右の薬指で試してみて?」

俺がそう言うとナナちゃんは照れながら、

「うん。」

と答えた。

「どうぞ。」

店員さんが差し出してくれた。

ナナちゃんが指輪をしようと指輪をケースから外した。

着けてみると、ピッタリで、

「まぁ!ものすごくお似合いです!」

と店員さんも言うくらい、

ブレスレットとの相性が良かった。

「ナナちゃん、マジで似合ってるよ。」

「可愛い!!!」

やや興奮気味のナナちゃん。

「他のも見る?」

「ううん。」

ブレスレットと指輪を見比べて、ニコニコしてるナナちゃん。




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