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ぜんぶ二人ではじめて

第4章 晃くんが分からない

「怖い?」

「……ん。」

「襲われそう?」

「そうは思わないけど……晃くんて、何でもできて、すごくカッコイイと思う。」

「市川……」

「でもそんなスーパースターみたいな人が私にあんなことするなんて、信じられなくて……」

「市川さ、あれがどういう意味か分かんねーの?」

「分かんないよ。」

「そう。……市川が俺にヤキモチ妬かせるから……焦ったんだよ。」

「ヤキモチ?」

晃くんが少し照れてる?

晃くんがもっと近づいてきた!

後ろは机。もう、これ以上、下がれない……

「……俺の気持ち……分かった?」

え?

「全然分かんない……」

「マジで?」

「う、うん。」

「はぁぁぁぁ……」

大きな溜め息をついて、

いきなり、

ギューーッ

抱き締めた!

「えっ?晃くん?や!やめて?!」

バクバクいう心臓。

晃くんが顔を近づけてきた!

キスされちゃう?!

「やだ!やめて!晃くん!お願いッ!」

怖くてそう言うしかできなくて……

そっと離れてくれた、晃くん。

「ごめん。……今日、日直、誰か指名して?俺、今日、市川といたら何するか分からん。ごめんな。」

そう言って立ち去った。

バクバク……

まだ速い……心臓……

晃くんが怖かった……

抱き締められた!

キス、されそうになった!

えーーーー?

晃くん……私のこと、好きなの?

好きじゃなきゃ、あんなことしないよね?

………………でも、怖かった。

抱き締められたときも、キスされそうになったときも、ただ、怖かった……

それはつまり、私は……晃くんのこと、好きではないってこと?

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