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ぜんぶ二人ではじめて

第33章 プレゼント

スタッフが記念にと写真を撮ってくれた。

俺はスタッフだけが知ってるから、歌うのもスタッフだけだと思ってた。

それが、来る客全てに、ナナちゃんの名前だけ伝えてくれてたみたいだ。

全員が歌ってくれるなんてな。

結婚式するときは、ここが良いな。

なんて、恥ずかしいことまで考えてた。

ケーキはせっかくだから、俺も食べられるものをと、チーズケーキにしておいた。

ナナちゃんが、

「今、この会場にいるお客さんは何人ですか?」

と、スタッフに聞いた。

ここは予約制だから、最大10人しか入れない。

「8名様です。」

そうスタッフが答えると、

「スタッフさんは何人いらっしゃいますか?」

と。

「4人です。」

「では、ケーキを12等分してください。お祝いしてくださったみなさんにも細やかですが、お裾分けしたいので。お願いできますか?」

なんて言ってて……

すげーな、ナナちゃん。

できる女だ。

「お気遣いいただき、ありがとうございます。」

会場の責任者がお礼を言いに来た。

みんなでケーキを分けて、少しずついただいた。

うーん。

チーズケーキでも甘い……

ナナちゃん、分けてくれてありがとう!

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