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ぜんぶ二人ではじめて

第35章 お誘い

「彩月ちゃんは!彩月ちゃんは絶対悪くないと思います。彩月ちゃんは、いつも明るくて、いつだって優しくて……彩月ちゃんが悪いことなんてするはず、ないです!」

堪らず泣きながらいった。

「七海ちゃん。」

「ありがとう……」

おじさんとおばさんが涙を流していた。

彩月ちゃん……

どうか……

父さん!お願い!

そっとヤスくんが肩を抱いて寄り添ってくれた。

「ヤスくん……私は大丈夫!昌樹くんについててあげよう?」

「本当に?」

「ん……今は昌樹くんが心配だよ。」

私たちは昌樹くんを真ん中にして座った。

昌樹くんは、膝に両肘をついて、祈るような姿勢で、震えてた。

手術開始から40分……

一時間……

時間が刻々と過ぎていく……

時間とともに会話が減ってく……

怖くて……何を話したら良いのか分からなくなった。

多分、みんな、同じ。

手術開始から1時間10分経った時、

パッと「手術中」のランプが消えた!

ガラッ!

手術室の扉が開く。

カツカツカツ……

父さんが出てきた!

「父さん!!!」

「先生!!!」

「一命はとりとめました。あとは目が醒めるのを待つだけです。」

「ありがとうございますっ!」

「ありがとうございますっ!」

「父さん、ありがとう……」

それだけ伝えた。

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