ぜんぶ二人ではじめて
第35章 お誘い
ベッドの周りをみんなで取り囲む。
「彩月!」
「お姉ちゃん!」
「彩月ちゃん!」
みんなで名前を呼ぶ。
「……ん…………」
反応があった!
「彩月ちゃん!」
「彩月!」
声に反応した彩月が、
「あ……ん?…………みんな?どうしたの?」
ボーッとした意識の中、いつもより小さな声で、いつもよりゆっくりだけど、確かに彩月の声で、話した!
良かったぁぁぁ!
「うっ…………彩月!」
昌樹と彩月の両親が涙を流して彩月の手や顔を撫でた。
「心配してくれて、ありがとう。……心配、かけて、ごめんなさい。」
彩月が言った。
「ちょっと診察させてください。」
ナナちゃんのお父さんが、彩月を診察した。
「指の感覚、ある?」
「はい。」
「じゃあ、足は?これ、分かる?」
「はい。……七海ちゃんのお父さんが?」
「俺が、彩月ちゃんの主治医だよ。よろしくね。」
「はい。……ありがとうございました。」
彩月が、泣きながらそう言った。
「ここの傷が一番厄介だった。……何をされたのか、覚えてる?」
「……はい。」
「今日じゃなくてもいい。話せる時に話してもらえないかな?」
ナナちゃんのお父さんが言った。
「今、話します。みんないるから。」
「ムリはダメだよ?」
「大丈夫です。……卒業した男の先輩に呼び出されたの。体育館前に。で、告白されたから断ったの。……昌樹が待ってるから教室に戻ろうと渡り廊下を歩いていたら、三人の女にいきなりボコボコにされたの。……告白してくれた先輩のことが好きだった人たちみたい。「お前のせいで遊汰は!」とか「断るなんて何様だ!」とか言ってた。……それくらいしか覚えてないけど、この傷は、瓶でやられた。」
俺はそれを聞いて、怒りがこみ上げてきた。
「彩月!」
「お姉ちゃん!」
「彩月ちゃん!」
みんなで名前を呼ぶ。
「……ん…………」
反応があった!
「彩月ちゃん!」
「彩月!」
声に反応した彩月が、
「あ……ん?…………みんな?どうしたの?」
ボーッとした意識の中、いつもより小さな声で、いつもよりゆっくりだけど、確かに彩月の声で、話した!
良かったぁぁぁ!
「うっ…………彩月!」
昌樹と彩月の両親が涙を流して彩月の手や顔を撫でた。
「心配してくれて、ありがとう。……心配、かけて、ごめんなさい。」
彩月が言った。
「ちょっと診察させてください。」
ナナちゃんのお父さんが、彩月を診察した。
「指の感覚、ある?」
「はい。」
「じゃあ、足は?これ、分かる?」
「はい。……七海ちゃんのお父さんが?」
「俺が、彩月ちゃんの主治医だよ。よろしくね。」
「はい。……ありがとうございました。」
彩月が、泣きながらそう言った。
「ここの傷が一番厄介だった。……何をされたのか、覚えてる?」
「……はい。」
「今日じゃなくてもいい。話せる時に話してもらえないかな?」
ナナちゃんのお父さんが言った。
「今、話します。みんないるから。」
「ムリはダメだよ?」
「大丈夫です。……卒業した男の先輩に呼び出されたの。体育館前に。で、告白されたから断ったの。……昌樹が待ってるから教室に戻ろうと渡り廊下を歩いていたら、三人の女にいきなりボコボコにされたの。……告白してくれた先輩のことが好きだった人たちみたい。「お前のせいで遊汰は!」とか「断るなんて何様だ!」とか言ってた。……それくらいしか覚えてないけど、この傷は、瓶でやられた。」
俺はそれを聞いて、怒りがこみ上げてきた。