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ぜんぶ二人ではじめて

第36章 解決

side 泰宏

ナナちゃんが禁欲しようと言い出した。

マジか?

野球のことはちゃんと考えてる。

あれから晃くんと少し話した。

今のナインは素晴らしい人材なんだそうだ。

ただ、キャッチャーが適任がいないんだそうだ。

野球始めたら禁欲しかないだろ……

ナナちゃん!ほんとに良いのか!?

家族とも話した。

手術したときはすげぇ心配かけたからなー。

父さんも母さんも、ムリしなければ、やりたいようにやりなと、背中を押してくれた。

昌樹にも話した。

その日から毎日キャッチボールに付き合ってくれる。

あとはナナちゃんに話すだけだ。

「ナナちゃん!ちょっと話したいことがあるんだ。」

俺は背中にくっついてるナナちゃんに話しかけた。

「んー?なーに?」

おっぱいが背中にくっついてて離れてほしくはないんだが……

「喫茶店入ろう?」

実は晃くんが来ることになってる。

「うん。」

カランカラン……

「ホットココアにする。」

「OK。」

店員さんに頼んだ。

「市川……」

晃くんが来た。

俺の隣に座った。

「晃くん!?」

「話したいことがあって、ヤスくんに頼んだんだ。」

「そうなんだ。」

「実は……ヤスくんに野球部に入ってほしいんだ。」

晃くんが言う。

「えっ……でもヤスくんはケガしてから……」

「うん。そこは確かに不安材料ではあるんだけど……」

「やりたいの??」

「あぁ。」

「ヤスくん!マジで?」

晃くんが驚く。

「あぁ。晃くんに返事する前にナナちゃんに話したかったんだよ。」

「そっかぁ……。応援するよ、ヤスくん。」

「え?」

あまりにも早い返しに驚いた。

「ヤスくんがやりたいことを私は全力で応援するよ。」

「ナナちゃん……」

「市川、ありがとう。甲子園、つれて行けるよう、頑張るよ。」

晃くんが、そう言うとナナちゃんが、

「うん。楽しみにしてる。でも、ムリはしないでね!」

心配してくれる。

「あぁ。」

ありがとう……ナナちゃん……

「俺から晃くんにお願いがあるんだ。」

「なに?」

「他のファンクラブの皆に、俺がナナちゃんの傍にいられない時間、ナナちゃんを全力で護ってほしい。」

「ヤスくん……」

俺は彩月の件ですげぇ不安になってた。

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