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ぜんぶ二人ではじめて

第36章 解決

お家まであと200メートルくらいだけど、二人きりになりたかった。

どちらが誘うでもなく……

自転車を停めて、緑地公園に入った。

「キスは良いんだよな?」

ヤスくんが確認する。

「……うん。でも!お外は嫌だよ!」

芝生の上に座る。

「ダメ?」

「誰かに見られてるかもしれないでしょ。それより!野球、どうだったの?」

私は恥ずかしいから話題を変えた。

「晃くん、すげー良い球投げるんだよ!変化球も3種類持ってるし、速いし、コントロール良いよ!受けててめちゃくちゃ楽しかった!」

ヤスくんがキラキラしてる!

すごい、カッコいい。

「明日、試合で、俺ももしかしたら出るかもしれない。」

「うん!!!明日は野球部の応援!私のソロもあるよ。ヤスくんのカッコいい姿、よーーーく見なくちゃ!!頑張ってね、ヤスくんッ!」

そう言って、笑顔でガッツポーズをした。

トサッ!

急に……芝生に寝転んだ……?

ヤスくんが私の上にいる!

押し倒された!?

「ナナちゃん!キス……させて?」

そんなセクシーな声で……

言われたら……

うん……て……

「ダメ!お外だよ。」

瞳を反らして、強がる。

「誰もいないよ。」

「あ、明日、勝ったら!」

「勝つためのエネルギーが必要!」

「もぉ……ヤスくんたら……こんなとこで恥ずかしいのに……」

「良い?」

「……ん……」

「やった!」

ヤスくんが見つめる。

嬉しくて、ドキドキする。

「……ナナちゃん……愛してる……」

ヤスくんの瞳に吸い込まれる……

チュッ……

フレンチ・キス

「ヤスくん……愛してるよ……」

私からも、フレンチ・キス……

「ありがとう、ナナちゃん。明日、めちゃくちゃ頑張れる!」

ヤスくん……

「無理はダメだからね!」

「分かってる。無理はしないって約束するよ。」

そう言って、もう一度、フレンチ・キス……

「帰るか。」

「うん。」

自転車を押しながらだから手が繋げない。

私は制服の裾をちょっとだけ摘まんで歩いた。




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