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ぜんぶ二人ではじめて

第36章 解決

翌日、朝5時に起きた!

今日は試合だから走って行くのはやめておこう。

もう少し馴らしてからにしよう!

「おはよう、ヤス。」

すでに母さんは起きてた。

「おはよ。早いね。」

「あんたが試合だって言うからさ。弁当、持っていくかい?」

「ありがと。弁当はいいや。朝飯もらえる?」

「はいよー。お昼は、七海ちゃんが作ってくれてるの?」

「あぁ。母さん、俺さ、野球始めたらやっぱ楽しいわ!」

「そう。良かったね。」

「すげぇ心配かけるかもしれないけど、あと二年ある。次は予選から出て、必ず、甲子園連れて行くよ。」

「いつの間にか、本当に逞しい子になったね。」

「毎日うまい飯食ってるからじゃね?」

「うまいこと言うねー。」

笑顔の母さんを見て、楽しく朝飯を食べた。

こんなに長く二人で話したのは、いつ以来だろう?

「七海ちゃんとの将来はどう考えてるの?」

いきなりそういう話題?!

俺は少し照れながら、それを悟られないように、

「まだじいちゃんに話してないんだけど。」

そう前置きをして、

「学園卒業したら、俺、家業継ぐから。」

「えっ?農家をかい?」

「あぁ。そしたらナナちゃんと結婚したい!」

はっきり答えた。

そしたら母さん、

「良いのかい?農家なんて、大変なだけだよ?」

と。

「決めたんだよ。毎日じいちゃん見ててさ。大学行くことも一応考えたけど、そこまでして何か学びたいとかはないからさ。」

「そうかい。でも、野球でスカウトとかされたらどうするんだい?」

「断る。」

「……じいちゃんも父さんも、絶対喜ぶよ。ヤスにそう言ってもらえるとは思ってなかったよ。七海ちゃんとのこともしっかり考えていたんだね。」

「当たり前。」

「母さん、あんたを生んで本当に良かったよ。」

「……そーゆーこと言うなよ。」

もうこれ以上、照れを隠せる感じでもない。

「まだまだだけどさ。有言実行できるように頑張るよ。」

「応援してるよ。」

「サンキュ。」

「今日の試合、出るんだろ?」

「多分ね。」

「見に行くよ?」

「好きにしなよ。そろそろ行くね。」

「はいよ。気を付けるんだよ!?」

「あぁ。行ってきます!」

「いってらっしゃい!」

あれは見に来るな。

ま、ギャラリーは多い方が密かに燃えるタイプだから、楽しみだ!

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