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ぜんぶ二人ではじめて

第36章 解決

side 七海

ヤスくんが朝早く寄ってくれた。

私は夜泣きしてる双子のお世話をしてたから、ほぼ徹夜状態。

母さんの顔色があんまり良くなかった先週。

毎週末、金曜日と土曜日は私が夜泣きのお世話するってことになってるんだけど、母さんが心配で、日曜日の今日も無理やり引き受けた。

夜中の2時と5時半に夜泣きがあった。

オムツ替えて、ミルクあげて、あやしながら寝かせる……

そのままヤスくんのお弁当作ってたらヤスくんから連絡が来て、ヤスくんが家によってくれて……

ヤスくんの膝枕で寝ちゃった。

ヤスくんがおでこにキスをしてくれる夢を見た。

幸せな夢で、ゆったり時間が流れて……

目が覚めた。

ヤスくんからメールが入ってた。

試合は9時開始。

今は、7時。

今日は吹奏楽部も野球部の応援てことになってた。

現地までバスで行くから集合時間は7時半!

時間なーい!

「おはよ。七海。」

父さんと母さん。

「おはよー、二人とも。」

「七海、眠れた?」

「うん。大丈夫だよ。」

強がる。

母さんの顔色が少しよくなった!

ホッとする。

「ありがとね。」

母さんがすまなそうに言う。

「良いよ。二人ともよく寝てるよ。私、今日は野球部の応援だから。」

「うん。ヤスくん出るかな?」

「多分ね。晃くんが言うには、自分の投球を受けられるのはヤスくんしかいないんだって。監督やキャプテンにもずっとそう伝えてきたらしいよ。」

「そうなんだ。じゃあ、ヤスくんにとって今日は大切な日だね。」

と、父さん。

「そうだね!朝ごはん、適当に食べてね?」

「ありがとう。見に行けたら行くよ。」

「はーい。じゃあ、着替えてくる。輝くんと彰一くんが迎えに来ると思うから来たら通して?」

「分かった。」

部屋でいそいそと着替える。

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