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ぜんぶ二人ではじめて

第38章 ギリギリ……

side 七海

パシッ!

和樹くんの言葉にイラッとして、私は初めて人を叩いた。

ドサッ!

和樹くんに、押し倒された。

ドキッ!

一瞬だけど……ヤスくんいるのに!

恋愛をばかにしたような発言にイラッとして、

「遊ぶ恋愛を楽しめば良いでしょ?私を巻き込まないで!!!」

そう言った。

もう、ドキドキなんてしなかった。

和樹くん、可哀想な人なんだね。

心の中でそう思った。

そんなこと言ったら逆上されるだろうから言わないけど……

和樹くんがいなくなって、今度はヤスくんに、

トサッ!

ベッドに押し倒された。

ドキン!

ドキドキ……ドキドキ……

ヤスくん……

「消毒!」

そう言ってたくさん……優しいキスをくれる。

やだ……ドキドキが……うるさい!

ヤスくんにやきもち妬かれて、不謹慎だけど、ちょっと嬉しくて、

「ヤスくんとのドキドキはすごく気持ちいい。」

って言った。

たくさんキスをくれたのに、さっき寝るときにブラウスのボタンを上2つ外してたことを忘れてて、ヤスくんが、急に退いて、

「ボタンとめて?……おっぱい……見えそう……」

そう言った!

禁欲中なのに……

「ごめんね。」

そそくさと整える。

「飯、食おうぜ。」

ヤスくんが気を紛らわそうと必死なのが分かった。

禁欲中だから、そういうの、気を付けようって思ってたのに!

私のばか。

私たちは保健室から出て、食堂に向かった。

「あ!二人ともー!」

そう言って昌樹くんが駆け寄ってきた。

「七海ちゃん、具合、大丈夫?」

優しく聞いてくれてるのに、和樹くんとのことをシンクロさせてしまう。

「あ、うん。大丈夫……。カバン、ありがと。」

少し、素っ気なくなっちゃったかな?

「昌樹。さっき、和樹がこれ、彩月の母さんに頼まれたって言って持ってきた。飯、食ったら彩月んとこチャリで行くんだろ?」

「うん。ありがと。和樹……ヤスくんと会ったの?七海ちゃんと?」

私は言うべきか悩んでた。

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