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ぜんぶ二人ではじめて

第39章 解禁日

家に着いた。

「どうぞ。」

鍵を開けて、中へと招き入れる。

「ありがと。お邪魔します。」

手洗いウガイをし、二階にある、俺の部屋へ。

珍しくゲームして楽しんだ。

「今日は……お夕飯、何が食べたい?」

ナナちゃんが聞く。

「んー……冷蔵庫と相談する?」

何かあるかな?

ナナちゃんが、

「失礼します。」

と、挨拶をして、冷蔵庫を開ける。

「うわー。ヤスくんのお母さん、几帳面だねー。すごい、どこに何があるか分かりやすい!」

「みんながごちゃごちゃにするのを嫌がるからね。」

「そうなんだね。じゃがいも、人参、玉ねぎ、お肉……肉じゃが好き?」

「あぁ。好きだよ。」

「じゃぁ、肉じゃがと……ほうれん草のごま和えには好き?」

「あぁ。俺、好き嫌いないよ。」

「そういえばそうだったよね。あ!鰤がある!使って良い?」

「あぁ。冷蔵庫にあるものは好きなだけ使って良いって言ってたよ。あと、残った物も嫌じゃなければ食べてって。」

「そうなんだ。嬉しい!もう作っても良い?」

「良いよ。……手伝うよ。」

「ありがとう。」

ナナちゃんは料理が……というか、家事全般が得意だ。

俺はピーラーでじゃがいもたちの皮を剥く。

それくらいしかできないけど。

ナナちゃんが切って、煮込んで味付けて……

煮込んでる間にお風呂洗って沸かしてくる。

お風呂の準備もササッとやってくる。

すげー、手際が良い。

こんなナナちゃんを知ってるのは俺だけだろうなー。

「ナナちゃん、手伝うから言ってね?手伝いたいけど、何を手伝えば良いか、分からないからさ。」

そう言うと、

「そっかー。ありがとう。じゃあ、お箸、用意してもらえる?」

「あぁ。」

「そのあと、ここに置くから、テーブルに運んで?」

「了解!」

ナナちゃんとの時間が、すごく楽しい。

いつもと違うことをするとなおさら、楽しい。

美月のことも少し忘れられる。

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