テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第39章 解禁日

side 七海

明日はヤスくんのお誕生日!

つまり……禁欲生活、解禁日……

ヤスくんのご家族が留守になるってことで、ヤスくんが私を自宅に招待してくれた。

ヤスくんのお家に行くのは二度目!

両想いだって分かった、告白した、私たちの出発点。

この部屋で私たち、抱き合ったんだよね。

最初のキスをしたんだよね。

思い出すとドキドキが止まらない。

ヤスくんの部屋……相変わらず整ってる。

シンプルな感じ、好き。

前に来た時にはなかった、野球のユニフォームやバッグ。

素敵な時を刻んだ証。

ヤスくん、野球、あんなに上手で、かっこよくて……大好きだったんだね!

体育で活躍した、あの時から、なんとなーく、前にやってたんだろうなって……

辞めた理由がケガだったから、本当は今も心配だけど……

でも、めちゃくちゃ上手だなんて!

晃くんが野球部に欲しいとスカウトする理由も分かる。

二人で夕御飯の用意をする。

肉じゃが、ほうれん草のごま和え、鰤の照り焼き、大根とお麩の味噌汁。

今日は和食!

ヤスくんがお箸を用意してくれる。

ご飯をよそる。

盛り付けたお皿を並べる。

味噌汁もよそる。

ヤスくんのお母さんが作っておいてくれた、沢庵、糠漬けも盛り付けた。

「やべー!超うまそう!!!」

「お手伝い、ありがとう。」

「いいえ。とんでもない。」

「食べよう?」

「あぁ。いただきます。」

ヤスくんが優しく笑う。

「いただきまーす。」

二人で囲む食卓。

美味しい!

楽しい。素敵な時間。

ピロピロピロ……

お風呂が沸いた音がした。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ