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ぜんぶ二人ではじめて

第40章 関係性

side 泰宏

午後、ナナちゃんが深澤さん家に帰った。夕方にはうちの人たちが帰ってくる予定だから、早めにと。

さっき、母さんから電話があって、旅行から帰ってきたけど、町で買い物してから帰ると言っていた。美月は家の近くの通りで下ろして、円香は午後は予定があるから、駅まで送ると言っていた。

俺はいろーんなことを思い出してた。

楽しい誕生日になったなー。

なんて一人で窓の外を眺めながら思い出してた。

部屋にナナちゃんのカケラが残ってる。

ん?誰だ?あれ。

彩月の家の垣根に男が2人、身を潜めているのが見えた。美月は…?まだ帰ってない?

怪しさ満載…。泥棒か?

この辺りの人たちは不用心だからなぁ。狙われやすいんだよな。

「美月!」

美月が通りの向こうから家の方へと歩いてくるのが見えた!

美月が家に入ればあの男たちも泥棒に入ろうとは考えないだろう。

俺はそう思って、美月が自宅に入るところをしっかり見届けようと思ってた。

美月が家に入った!よし!これで安心だ!

そう思ったが、男たちは美月が家に入った後をそーっとつけて行った。

???

どーゆーことだ?

知り合いな感じじゃねーよな?

ドクン!

なんだか嫌な胸騒ぎだ。

俺は護身用にバットを持って、美月の家に走った。

あー…玄関からは入ったら鉢合わせしちまう。

どーすっか。

なんて考えながら…

そうだ!確か、美月の家は勝手口は常に開いてる。って、昌樹から聞いた!

そっちから行くか。

美月の家は目と鼻の先。全速力で走れば1分かかんない。

美月の家の勝手口をそーっと開ける。

相手は2人…泥棒だったら、バットで足を狙うか。

フルスイングしたら骨折れちまうよな。手加減…難しいけど…当たるギリギリのところで…

なんて考えながら忍び歩きしてると…

「きゃーーー!」

ガッシャーン!

ビビったぁ!

美月!どこだ?どっちから声がした?

2人いるけど、相手は俺には気がついてないはずだ。

「おい!こいつ、結構良いカラダしてるぜ!?」

「いやーぁぁぁ!」

声が近い!

「誰もいねーし、時間あるし!じーっくり味わおうぜ?!俺、左胸ー!」

「俺、脚が良いなぁ!」

「やめて!やめてぇぇぇ!」

こっちか!

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