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ぜんぶ二人ではじめて

第41章 誓って…

「俺のこと見て?」

多分、真っ赤な顔になってるけど、顔を上げて、竜一くんを見る。

ドキドキする!

「俺は誓って市川一筋だから。何があっても俺は市川のことを世界で一番好きだよ。でも、市川の幸せも願ってる。ヤスくんといて幸せなら応援する。もし、ヤスくんに傷つけられたりしたら、一人で悩まないで、俺を頼って?俺が市川の心を癒すから。」

竜一くんの言葉に心を揺さぶられて、泣きそうになる。

重ねた手から熱を帯びてく。

「ありがとう……ありがとう、竜一くん…。嬉しい。たくさん想ってくれて、ありがとう。…どうしてこんなにドキドキするのか戸惑ってるけど…嬉しくて…どうしよう…」

抱き締めてほしい…

なんて言えない。

「そんな可愛い反応したら…襲うぞ!」

苦笑いしながらそう言う。

言葉とは裏腹な気持ちがあるって伝わる。

「もぉ…」

でも、その言葉に反応しちゃう。

バクバク言ってる。

「男の人は…途中で…止まらなく…なっちゃうんでしょ?」

少しずつしか話せない。竜一くんの瞳が金縛りにする。

「止められるなら襲っても良いの?」

「え?…だ、め。」

恥ずかしくて…視線をそらすことしかできない。

「もう遅い。」

「え?」

グイッ!

手を引かれて、竜一くんの胸に収まる。

ドキンッ!

竜一くんの匂い…好き。

そんな風に思ってしまう自分に戸惑う。

竜一くんが私の背中に回してた腕に少し力を入れて、

「好きだ…」

「…竜一くん…」

切なくなる。ドキドキしてるけど、それ以上に竜一くんの想いを思い知ってく。

ごめんね。

きゅっ…

竜一くんのシャツを掴む。

「ありがとう…竜一くん…」

竜一くんのバクバクしてる心臓の音を聞きながら答える。

「…ごめん…困らせるだけなのに…。言わずにはいられなかった。」

そう言ってそっと離れた。

「泣かないで…」

「あ…」

いつのまにか流れてきた涙を竜一くんが手で拭ってくれる。

なんだろう…全然嫌じゃない。

落ち着くし、どこか懐かしささえ感じる。

こんなにドキドキするなんて、私は浮気者なんだ…

ヤスくんだけ好きってわけじゃないんだ。

「市川?大丈夫?」

「あ、うん。」

「ごめんな。俺、帰るよ。」

そう言った。

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