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ぜんぶ二人ではじめて

第4章 晃くんが分からない

布団から顔だけ出して、小さな声で伝えた。

「……良いんだけど……さっきから……すげぇドキドキする。」

「……私もだよ……。」

「熱のせいだって分かってるんだけど……」

キュッ…

そう言って、手を握ってくれた。

「熱のせいだけじゃないよ。」

「(ゴクッ)ダメだよ。そんな…潤んだ目で、真っ赤な顔で…そんなこと言われたら……。」

泰宏くんが見つめる。

「それは……熱のせいだよ。」

「そうだね。」

握ってた手を寄せて、身体を近づけた。

見つめる目がドキドキしすぎて、恥ずかしくて…目を反らす。そして、

「どうして…私、泰宏くんと…離れたくないんだろ?…自分でも分からない。…でも、ドキドキが…気持ち良いの。…なんて…変だよね。」

「…俺も…離れたくない…。…市川さんともっとドキドキしたい。」

そう言うから、目を合わせた。

「もっと……?」

「あぁ。もっと……」

ギシッ……

泰宏くんがベッドに上がった!

!!!

そして、布団に入って、

ギューーーッて抱き締めた!

「あっ……泰宏くん……」

声が震えてるのが分かる。

「すげぇ、ドキドキする。」

「うん。…私も。」

全身が心臓になったみたい!でも…

「気持ち良い…」

なんて、言ってしまう。

「俺も。移しちゃえよ、熱……」

耳元でセクシーに囁く。

バクバクバクバク……

一瞬身体を離し、頬に掌を当てて顔を上に上げられた!泰宏くんの瞳で金縛りになる。もっとドキドキする。

「恥ずかしい‼︎」

そう伝えた。

「可愛い。明日、迎えに来るよ。眠るまで側にいさせて?」

見つめたまま、優しい声で言う。

「うん。ありがとう……」

泰宏くんの体、大きくて、すごく心地よくて……

瞳は反らしたけど、もっと……抱きつく。

眠たくなってきた。

「すき……」

無意識で呟いた。

心臓は賑やかだけど、本当に気持ちよかった。

泰宏くんの体温が良い。

私はそのまま、泰宏くんの胸の中で眠った……。

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