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ぜんぶ二人ではじめて

第43章 疑念

始業式が終わり、教室に移動する途中、トイレに寄った。

美月からメッセが届いてた。個室で見る。

美月はまた円香と同じクラスで、担任も部活の顧問だったと知らせてくれた。

俺はナナちゃんとクラスが離れたと送った。

でも美月は、同級生だと同じクラスがあるから良いね。私もヤス兄と同じ教室で勉強したいなー。

なんてふざけて送ってきた。けど俺は何だか嬉しくて、今度一緒に勉強するか!って、送ってた。

そしたら、ヤス兄、教師役ね!と…

返事だけして、時間になるからと打ち切った。

この調子で毎日のように美月とやりとりしてる。

個室から出て、用を足してると、竜一くんが来た。

頭が切り替わる。

「今年は去年以上の護衛をして欲しいんだけど。」

俺がそう切り出す。

「あぁ。担任だろ?かなりロリっぽいもんな。親衛隊一同、同意見です。しかも市川のこと狙いそうだよな。あの目…気に入らねー。」

俺、そんな風に感じ取れなかった…

「市川にはロリっぽいから気をつけろって言ってあるよ。」

俺はもう彼氏の資格ないな。

「市川、誰かさんとクラス離れて寂しそうだったよ。」

え?俺には普通に見えた…

「俺もだよ。」

そう答えて、じゃあ、よろしくと小声で言った。

教室に入ると、すぐに担任が現れた。

「水原佐和子です。って、みんな知ってるかー。担当は音楽。担任持つのひっさしぶりだから緊張してます。趣味はスポーツ!するのも見るのも好き。中でもテニスが一番好きかな。…一年間、有意義な日々を積み重ねて過ごして欲しいと思います。悩み事とかあったら、気軽に相談してください。何か質問ありますか?」

すると、

「はーい!先生何歳ですか?」

と、ベタな質問を女子がした。

「えー?みんなより10コ上!かな。」

素直に答えてる。先生、見た目若いな。

「先生は彼氏いますか?」

テニス部エース、佐古が質問する。

「今はいませーん。」

「年下は嫌いですか?」

佐古が攻める。

「嫌いだったらこの仕事選びません。ほかに質問ありますか?…なければ皆の番ね?1番からお願いします!」

そして、自己紹介が始まった。

「佐古珈偉です。テニス部所属です。今度俺と、テニスやりませんか?」

佐古は明らか恋に落ちた。と、クラスの誰もが確信した。笑

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