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ぜんぶ二人ではじめて

第45章 長い夜

七海がヤスくんと別れるのを待つことに決めたその日に、ほかの親衛隊のメンバーに翌日話があることを伝えた。

次の日、輝の家で、

「実は昨日、市川と偶然、俺ん家の近くで会ったんだ。市川はヤスくんと会ってた後でじいちゃん家に行ったんだけど、散歩に出てて、雨が降って、雷も鳴ってきたから、危ないと思って、ひとまず俺の家の方が近かったから、避難した。雷が遠ざかってから、市川のじいちゃん家に市川を送って行ったんだけど、その途中で、ヤスくんが女の子と抱き合ってるところを見てしまったんだ。市川が傷つくのを見ていられなくて、市川に自分の気持ちを言った。そしたら市川が、ヤスくんと別れるまで待っててって…。もしかしたら流されてるだけなのかもしれないけど、今のところ、彼氏になるかもしれない率が高いから、報告させてもらおうと思って…。」

と、話した。

「マジかよ。ヤスくん、浮気?」

「なに?じゃあ、竜は市川と付き合うのか?」

「まぁ、流されてるかもしれないけど、市川と付き合えたら良いな、竜。」

そんなこんなで、応援する!と、言ってくれた。

その後も何度か護衛してたけど、ヤスくんと市川の気持ちのズレは見ているこっちにも分かるくらい、明らかだった。

メンバーもそれは察していて、クラブの活動で話したりした。

「ヤスくん、市川のこと、もう思ってないな。」

そして、何よりも七海が…

「市川、マジで竜のこと好きみたいだな。」

周りから見てもそう感じるほどに、気持ちが俺に傾いてきた。

それがどんなに嬉しかったか。

そうメンバーから言われる度に、確信持てたけど、ヤスくんが怪我で入院になったので、なかなかコトが進まず…もどかしかった。

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