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ぜんぶ二人ではじめて

第45章 長い夜

二人きりの夜…

今夜は特別な夜になりそうだ。

今、風呂に入ってる、七海。

だが…長い!もう1時間以上だぞ?女子はそんなに長いのか?普通なのか?

でも、心配だ…

俺は風呂場まで行ってみることにした。

ほぼ初めての市川家。

さっき家の中を案内してくれたから、分かるけど…

電気のスイッチまで聞かなかったな。

なんて思ってたが、市川家の廊下の電気は全て人感センサーだった!

「…七海?大丈夫?のぼせてない?」

脱衣所の外からまず声をかけたが、反応がない。

仕方ないから、脱衣所の中に入る。

「七海?聞こえる?大丈夫?」

今度は風呂場の外から声をかけた。

水の音はするけど…シャワーの音ではないな。返事がない。

俺は、意を決して、バスタオルを持って、トランクス一枚になり、バスタオルを拭く用に敷いて、二つある扉のうちの左側の扉を開け、浴室へと入った。

露天風呂?

すげ…でかっ!

「七海?」

声をかけてみた。

「…?あ!」

七海が檜風呂の浴槽の端に突っ伏してるのを見つけた!

「大丈夫?七海?」

「…ん…」

良かった。意識はある。

「立てる?」

「…ん…」

ダメだな、こりゃ。

俺はトランクス一枚のまま、浴槽内に入って、七海を抱き抱え、バスタオルをかけて、脱衣所に行った。

軽いなぁ、七海…。肌すべすべ…。

脱衣所に敷いておいたバスタオルで軽く拭いて、二階に運んだ。

七海の部屋には冷蔵庫もトイレも洗面所もある。冷蔵庫に水もあった!

俺はベッドにバスタオルを敷いて七海を横にして上から布団をかけて、声をかけた。

「七海?七海?」

「…んー…」

薄眼を開く。

「七海、分かる?」

「…竜くん…」

「風呂長いから心配で、見に行ったら風呂でのぼせて、半分意識失ってたから…部屋まで運んだよ。」

「え…?」

「…今、裸だけど、バスタオルで隠して連れてきた。見てないから!水飲める?」

多分、俺は真っ赤な顔で言ってたと思う。

「…ありがとう。…まだ起きるのはツライかな。」

七海がそう答えたから、

「水…飲まないとだよ。…口移しで飲ませるよ?」

照れてらんない。

チュッ……柔らかい……

「……ゴクッ……」

3回、口移しで飲ませた。

これは人命救助だからキスではない!

ノーカウント!

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