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ぜんぶ二人ではじめて

第45章 長い夜

「あ…竜くん…ありがとう。もう、大丈夫…」

そう言って上体を起こした。

「だーー!裸!裸だから!七海!ちょっと待って!」

あっ…さっき、そんなようなこと言ってた気が…

そう言われてまた布団に戻った。

「水、ここに置くからね?動ける?」

「ありがとう。少しね。着替えはまだムリそう。でも、水は飲めると思う。」

「寒くない?」

「うん。…竜くん、お風呂入ってきて良いよ?」

よく見たら竜くん、ビショビショだ。

「大丈夫?」

「うん。動けるようになったら着替えるから。」

「そっか。わかった。じゃあ、風呂借りるね。」

「うん。ごゆっくり。」

「さっさと出てくるよ。」

「ありがとう。」

私のこと、助けるために濡れたんだ、きっと。

優しいなぁ…あったかいなぁ…

竜くんが出ていくのを見て、心がホカホカしてた。

バスタオルでよく拭いて、お水飲んで、まだ着替えられなそう……少し動いたらボーっとしてきたから裸のままベッドに潜った。

着替え、脱衣所だし…新しいの出せば良いんだけど…クローゼット…今の私には遠い…

ウトウト…また眠ってしまった。

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