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ぜんぶ二人ではじめて

第46章 セカンドラブ

ドアが開いた。

「竜、来たぞー。彼女連れて来たんだって?」

そう言いながら次男、秀一が近寄って来た。

「どうも、はじめまして。市川七海と申します。」

七海が会釈して顔を上げた瞬間、秀一が硬直した。

「あっ!どっ、どっ、どーも!秀一どぇす!」

どもるしかむし…

「ゴメン、七海。秀一は普通の女子とだと普通に話せるんだけど、可愛い子だと緊張しちゃって、あーなるんだ。」

「特異体質みたいな?」

普通に返すから、可笑しくて笑いを堪える。

「まぁ、そんな感じだよ。」

つまり、七海が極上のかわいさだってことだよ。

「敬一は日本料理店で板前やってて、秀一は大学三年。隣の市で一人暮らししてる。つーか秀一、大学は?」

「今日、帰る予定だったんだよ。少し早めに着いたからぶらついてたんだ。」

「一人暮らしって大変ですか?」

七海が秀一に聞いた。

「えっと、まっ、そー、っすね!朝、おっきる、のが、てーへんです!」

俺は笑いを堪えるのに必死だ。

パタン…ツカツカ…

嫌な予感…

「都子ちゃんが早く来てって言うから、来たわよー。竜ちゃん!2日ぶりー!ちゃんと食べてた?ん?ん?秀ちゃん!久しぶりねー!帰り、一緒に帰りましょ?」

はぁぁぁ…もう、マジで嫌だ。

喋り方も、身振り手振りも…人の話聞かねーとこも。

七海が挨拶できずに困ってたのを感じ、

「母さん!俺の彼女…です。」

そう言って紹介するのは初めてか。

「市川七海と申します。はじめまして。」

そういうと、

「小夜子ですー。はじめましてー。竜ちゃんが好きな気持ちは負けないよ?」

七海が困ってる。こーゆーキャラはおそらく七海の人生で初めてだろうからな。

「変な挨拶しないで、母さん。…七海、母さんはこれでも一応、保育園の園長先生なんだ。」

見えないよなー。

今は服装も化粧も派手だけど、仕事の時は、ほとんどスッピン。その差も俺は受け付けられない。

「竜ちゃんたら、一応とか言わないのー。七海ちゃん、もし、竜ちゃんと結婚するならちゃんと、お嫁に来てね?お婿さんにはあげないよ?」

「は、はい。」

七海が真っ赤になってる。

可愛くて抱きしめたくなる!

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