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ぜんぶ二人ではじめて

第47章 完全看護

明日の確認をして、母さんと電話を切った。

「竜くん、携帯ありがとう。」

「いいえ。ここに置いとくよ。」

「うん。」

オムツをビニールに入れて、ベランダに出した蓋のできるゴミ箱に入れた。

手を洗ってから部屋に戻る。

明日は体育祭…。

体育祭にはルールがあって、部活とは別の競技を選ぶというものがある。

竜くんも私もバドミントン。

同じ競技を選んだ。

しかも、男女ペアのダブルスで優勝すると、夏休みに無料で短期留学できる!

まぁ、優勝なんて無理だろうけどね。私、運動苦手だし。

「私、ミルク、あげるよ。」

「うん。よろしく。」

チュパチュパ…

勢いよくミルクを飲む、陸翔。

可愛いなぁ。

「可愛いなぁ…」

隣にいた竜くんが呟いた。

「ね。赤ちゃんて、可愛いよね。」

「うん。」

それだけ言ったら、そっぽ向いちゃった。

「竜くん?なんで目逸らすの?」

お夕飯の時から…

「…見られたくないだけだよ。」

と、一言。

チュパチュパ…

飲み干す、陸翔。

抱っこして、ゲップさせる。

少しすると、うとうと…

そーっと陸翔のためにプチ改造したソファーに寝かせる。

ベビー布団をかけてあげる。

ふにゃふにゃ言いながら完全に目を閉じた。

「見られたくないの?」

話を続ける。

「そう。」

「どうして?」

「風呂上がりで色っぽい七海…、陸翔くんの世話をする優しい眼差しの七海…、新鮮でさ…。陸翔くんいるし、エロいこと考えちゃダメだって言い聞かせてるんだけど…」

照れてる、竜くんが目を合わせた。

ドキンッ!

パッ…

今度は私が逸らした。

だめ…まだ話したいことがあるの。

「七海だって逸らすじゃんよ。」

そう言いながら、竜くんももっと照れながら下を向く私を覗き込む。

「間違えたの!」

変なこと言っちゃった!

「何を?目、逸らすのを?」

「…いろいろ。」

「いろいろ?」

「うん…。お風呂で考えてたの。」

「うん…」

あ…この間合い、好き。

聞くよって雰囲気。

「竜くんと出会ったこと、忘れてたのはどうしてかって…考えて…お風呂洗ってたとき、4人でお風呂に小さい頃入ったなーって思って…」

「うん…」

えっと…

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