リモーネ
第3章 卯の花とフユベゴニア
…よくわからない。
とりあえず寝よう。
そう思って握っていたスマホを充電器につないでベッドにはいる。
でも、頭のなかがかえで先輩のことばかりでなかなか眠れない。
気づくと空が白んでいてもう寝るには遅すぎる時間になっていた。
仕方なく布団からでて、気分転換としてシャワーを浴び、ゆっくりと朝の準備をして玄関を開ける。
と、門の前にはこちらへ微笑むかえで先輩。
何事か、ともう一度玄関の扉を閉めて自宅と確認してから再び扉を開ける。
門の方を見やるとやはり門の前にはこちらへ微笑むかえで先輩。
俺は、寝不足の頭でこの理解不能な状況を理解したくなくて扉を開けたままで固まっていると、
「おはよう。セナちゃん。」
かえで先輩に挨拶された。
「おはようございます。」
俺は、これまで感じたことがないほどの危機感にさいなまれた。