
恋
第1章 エ。
その後数学教師のみぞおちにボディータッチした後家に帰ったら、まあた性懲りもなく突っ立ってるよ。今度は頭の
部分の紙コップを握り潰し、ビシャッ!!「んんあああ!!?っつめたつめた··これが気持ちですって言ってらっしゃる?」
超冷水が体全体にかかった。今の今まで、紙コップ系の顔隠しで液体が入っていた事なぞ無かった。から
、「分かった君はナメクジなんだ♪」と思わーずニコッと笑って家中の食塩ストーカー君にブチまけちゃった。
くせぇ。くさすぎる。
だってあの机の泥黒く美味甘~い液体といい、私が握り潰すのを分かってて紙コップに超冷たい水入れてきたといい··
··イジメか。イジメでもやんねーぞこんな事。机墨汁同等の液体かけるとかまじ···。クラスの女子は確かに陰湿、いや
、女の子らしいけれどイジメとか強烈にいじるとかバカっぽい事はしない。進路相談室で「肩こり酷すぎて首動かせ
ない未来になったら···」と私に真面目に言わせたタフタフ女以外。
「ん···?」
ふと前を見ると、ストーカー君が段ボールの腕をずっと横に振り続けて、私から顔を背けている。
「檻という地獄に入ってストーカー君、それより何してんの。答えによっては腕もぐよ」
とミカル様が丁寧に質問してやったら、
「·······そ··················れ··········」 「え」
初めてストーカー君が声を出した。
「それって····あ」
下を見ると、さっきの水が制服について、ブラが透けてるっていう少女漫画的のヤツ。
「JAMADAッッッッッッッッッッ」「!!!!!!!」
と、強めのキックをストーカー君にお見舞いし、ストーカー君の上半身がドアにバキメリィとのめり込む。
「おかーさーん」
と私はお母さんを呼ぶ。 「何?アラドア壊れてたのね~実はドア張り替えたのよ安いヤツに!!いつでもみかるんルン
が帰ってきても良いよう「探偵呼んで」
と、私は至極真剣に言った。
「あらら今度は探偵ドラマにハマった!?誰推し!?」と言いながら、当たり前に電話機を耳に当てるのがウチの母。
さっきのストーカー君の初声、似ているような似ていないような気がしてならなかった。―――吉田と。
