
神様の願い事
第1章 不思議な噂
智「翔くん、ちょっと詰めて?」
翔「あ、うん」
また智くんは俺の隣に座った。
その隣にはニノ。
俺と智くんの間には少し隙間が出来るのに、ニノと智くんの間には隙間が無い。
これもいつもの事だ。
和「ね、嬉しかったって何?」
潤「コレ?」
手の傷をチラッと見せると、松潤は嬉しそうな顔をした。
潤「いや~ 俺、抱っことかしたの初めてなんだよね」
和「は?」
雅「松潤も神様抱っこしたんだって!」
潤「いや、あれはマジで可愛い」
和「はあ」
ニヤける松潤を見てニノが呆れてる。
呆れられる松潤とか新鮮だな。
和「神様に引っ掻かれたの?」
潤「まあね」
…あれ? なんだ?
潤「俺いつも嫌がられるんだよ。だけど神様は全く嫌がらなくてさ」
雅「うんうん」
俺の目、なんかおかしくなっちゃったのかな。
潤「俺の懐でじっとしてるの。目 閉じてモゾモゾしちゃったりなんかしてさ」
和「神様の話だよね?」
いくら智くんが猫みたいに可愛いからってどうしたんだ俺。
潤「抱っこするとすっげ温かいんだね。連れて帰りたくなるの分かるよ」
雅「でしょ!?」
和「ねえ聞いてる?」
ニノの溜め息が聞こえる。
そのニノから智くんを挟んで、俺は目をゴシゴシ擦っていた。
雅「どしたの翔ちゃん。目、痛いの?」
智くんの後ろに尻尾が見えるんだ。
黒くて長い、手触りの良さそうなのが。
翔「いや、そう言う訳じゃ無いんだけど…」
モゾモゾと動いてる。
お尻とソファーの間でモゾモゾと。
和「出てる」
智「あ」
あれ? 消えた。
パチッと瞬きをして、目を開けたらもう尻尾は無かった。
やっぱ幻覚か。そりゃそうだよな。
潤「大丈夫?」
翔「あ、うん」
今朝ベッドから落ちてたけど、頭でも打ったのかな。
