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神様の願い事

第4章 誤解



いやまてよ?

そう言えば、翔くんとのキスは何か特別な感じがした。
女とキスをする時には感じなかったものを、感じた。


智「素質って、どうして俺にあると思ったんですか?」

「う~ん、表情って言うのかな。櫻井くんとキスをしてた時の大ちゃんは、今まで見た事の無い顔をしてたからね」

智「表情...?」

「まあ、度数が合ってないと言われればそれまでだけど(笑)」


俺だってうっとりとキスをする時もあるんだ。
だけど翔くんのキスは、そこに加えて俺の脳を痺れさせた。
脳がジンジンと痺れて、頭がぼーっとして。
思考も停止して微睡んでしまいそうだった。


智「なんでだろ...」

「ん?」


素質。まさかあるのか。
ひょっとして俺は、女より男が合っていると言うのか。


智「...ちょっと、触れてもらえます?」


耳や首元に触れる翔くんの唇は熱かった。
とても熱くて、とても気持ちが良かった。


「触れる...?」

智「ココに...、少しでいいんで」


なんだか落ち着くような、安心するような。
心がふわっと解ける、そんな感じさえした。


「どうやって...?」

智「どうって...、好きなように...」


確かめたい。
どうしてそんな感じがしたのか。
まさかの俺は、ソッチなのか。


「本当にいいの?」


女に触れられるより気持ちいいとかおかしいだろ。
だってあれは翔くんなのに。


「いくよ…?」

智「はい」


只の男に、それもよく知ってる仲間に。

なのに微睡んでしまった俺はどこかおかしいのかもしれない。


智「どうぞ...」



それを確かめたくて俺は、自分の首元に手を掛け襟を大きく開いたんだ。






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