
神様の願い事
第5章 混乱
「知ってるとは思うが、願いはloveのみ。それしか聞けんぞ?」
和「うん」
「じゃあどっちからにする? お前さんから聞こうか?」
潤「いや、二人一緒でいいよ。俺達の願いは同じだから」
「へ」
お爺さんが固まった。完全にフリーズした。
潤「お爺さん?」
「いや、二人一緒って...、だってお前さんの相手は」
和「は? 俺?」
俺達を指差して、お爺さんは何故か狼狽えた。
「ええ、なんで? うそだろ」
話し方も急に普通になってしまったし。
「まさかワシの知らないところでそんな事になってたとは...」
和「おじいちゃん? 何言ってんの?」
「...ニノ! 浮気は駄目だ、ダメなんだぞっ!?」
和「え、なんで俺の名前」
まるで俺達を知っているかのように話し出した。
潤「ひょっとして、お爺さんも神様なの?」
和「ああ、だから俺の名前知ってるとか?」
「いや、神様というかワシは... ってそんな事よりも」
神様だから俺達の事を知っているのかと思ったけど、それもなんだか違うようだし。
「まさか二人がデキてたとは...」
和「はっ?」
潤「いやいやいや、違う違う」
それどころか何故か俺達が恋人だと勘違いしてる。
「へ、違うのかの?」
潤「違うでしょ(笑)」
「ああ、なんじゃ... よかったぁ~...」
違うと言うと物凄く安心してるし。
それにしてもその安堵した表情、どこかで見たような。
潤「俺達、リーダーの事お願いしに来たんだよ」
「へ?」
和「大野智って言うんだけどね?」
「二人で、そのリーダーの願いをしに来たと...?」
潤「俺達、あの人には幸せになって貰いたいんだよね」
和「もぅ、じれったくてさぁ。 馬鹿なんだよね、ウチの年長組(笑)」
「はは、馬鹿って...(笑)」
その情けない笑いもなんだか覚えがある。
どこで見たんだっけな、その顔。
