
神様の願い事
第1章 不思議な噂
んじゃまあ仕方ないか。
どうせ俺も馬鹿なんだったら、開き直って願いを叶えてもらおうじゃないの。
和「あ~ えと」
あ、そうだ。
お供え物いるんだったな。
和「とりあえずコレを」
「ビーフジャーキー?」
猫も食うのかな。
あんまり信用してなかったから何も持って来なかった。
かろうじてポケットに入ってたのがコレだ。
和「食える?」
「スルメとあんま変わんないね」
なんだかんだで食ってるな。
んじゃま、そろそろ言ってみるか。
和「そんで、お願いなんスけど」
「うん」
和「ウチのグループのリーダーの事なんだけどね」
「うん?」
和「なんかその人、急に猫みたいになっちゃってさ。アレなんとかなんないかなぁって」
「なんとか?」
和「うん。やっぱ仕事とか生活に支障をきたすじゃん? 本人は何も言わないけど、やっぱ困ってると思うんだよね」
「ふうん…」
猫の神様は何やら一点を見つめ出した。
いや、ぼーっとしてるだけか?
願いを聞いてぼーっとしてるとかどうなのそれ。
「それは無理だな」
和「へ?」
「叶えらんない」
和「え、なんで」
「だって君の事じゃないでしょ? 専門外だよ」
どうやら俺自身の願いでないと駄目らしい。
和「そうなの?」
「ん、君の無いの?」
和「おれぇ?」
別に無いな。
和「しいて言うなら、ゲームする時間がもっと欲しいかな。あ、そうだ。眠くならない様にしてよ」
「それも専門外」
和「あ?」
なんだよ、なんも叶えてくんないじゃん。
和「じゃあ、どんなのならいいの」
「LOVEだよ」
和「は?」
「俺は恋の神様だから」
それを言うなら縁結びだろ。
恋の神様ってなんなんだ。
俺は只、相葉さんが可愛い可愛いうるさいから見に来てやっただけだし、願いなんてそもそも無い。
でも万が一本当ならと、大野さんのネタを持って来たのにそれも駄目だと言うし。
いや待てよ。
恋の神様?
だとしたら、相葉さんは何を願ったんだろう。
スルメで釣って、何を叶えて貰おうとしたんだろう。
和「あ~俺は、まだいいや…」
「そ? じゃ、願いが出来たらまたおいで?」
そんな願いは出来ねえけどな。
